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名刺交換の機会が多いと、実に様々な名刺を目にすると思います。形や色、素材、そして書かれている内容まで、今は本当に自由度が高いです。そこで自分ぴったりの名刺を探すヒントになるように、一般的なものから変わったものまで様々な名刺をご紹介します!
一般的な日本の名刺はサイズ55㎜×91㎜の長方形です。これは長辺3寸(約91㎜)と、それに対する黄金比率(最も美しいと言われている比率)により、短辺55㎜が多く使われるようになったといわれています。
<縦型と横型>
長方形でも、横55㎜×縦91㎜の縦型として使用する場合と、縦55㎜×横91㎜の横型で使用する場合があります。
どちらも正式な使い方であり、どちらを使っても全く問題はありません。
具体的な統計の数値があるわけではありませんし、最近は縦型の名刺も増えていますが、現時点で一般的に多いのは横型の名刺です。
・縦型の特徴
渡すときに、スマートな印象や風格のある印象を与えることができるといわれています。一般的に縦型の名刺はシンプルなデザインが多いようです。
ただし、のちにご紹介する縦書き・横書きによっても印象は変わります。風格のある印象は、特に縦型の名刺に縦書きをした時にあてはまります。
また現在では縦型は少数派のため、渡したときにインパクトを与えられます。
その一方で、名刺フォルダで整理をするとき、縦型の名刺は整理し辛く見にくいという意見もあるようです。
・横型の特徴
レイアウトやデザインの自由度が高いため、可愛らしいものからクールなものまで様々なイメージを作り出すことができます。
そして名刺に載せられる情報が縦型よりも多くなります。URLやメールアドレスが長い場合も、無理なく記載することが可能です。
また横型であれば、受け取った方が整理しやすいというメリットがあります。
<縦書きと横書き>
もともと日本では縦型の名刺に縦書きが主流でした。日本語の基本は縦書きですから、自然なことだといえます。
それが現代では横型の名刺に横書きが主流となり、縦型の名刺でも横書きで書かれることが増えてきています。
理由はいくつかありますが、まず、パソコンの普及により日本語でも横書きが主流となったことが挙げられます。次に記載内容の変化です。現在名刺には、メールアドレスやHPのURLを載せる場合がほとんどです。当然、メールアドレスやURLはアルファベットで記載する必要があります。アルファベットは横書きですから、必然的に横書きの名刺が増えることになります。
縦書きの名刺であれば、URLやメールアドレスだけ縦書きの流れとは別に横書きで記載したり、縦書きのまま記載して、名刺を90度回転させて読んでもらったりしなければならないのです。
一般的な名刺の素材は紙。色は圧倒的に白色が多いです。
紙の種類ではアートポストやマットポストがよく使用されています。
アートポストは滑らかで美しい光沢が特徴の、白色の厚手用紙です。表面にコート剤を塗布しており、光沢性があり彩度が高いため、写真や鮮やかな色を使用している名刺に向いています。
マットポストはアートポストのマット版で、光沢が出ないように艶消しを施した厚手の用紙です。表面はサラッとしていて光沢がなく、色もややくすんで表現されるため、落ち着いた風合いを演出できます。光沢がないので反射が少なく、ちらつきがないため、写真などを使用しない場合はこちらの方が向いているといえます。
厚みも様々ありますが、あまりに薄いと会社としての信頼感に不安を覚えますので、ある程度の厚みがある名刺が多いです。
アートポストやマットポストであれば180kg程度の厚みが一般的でしょう。
デザインや記載内容にも自由度がある現代の名刺ですが、これだけは書いておかなければいけないという情報がありますので、しっかり押さえておきましょう。
<氏名>
もっとも重要なのが氏名。目立つところにわかりやすく記載し、読むのが難しい氏名の場合はフリガナをふっておきましょう。受け取る人に対しての大切な気遣いです。裏面に英語表記をしない場合であれば、ローマ字表記でも良いです。最近は読み方の難しさにかかわらず、ローマ字を併記する場合が増えています。
<会社名>
正式名称で記載します。
<会社のロゴ>
時に会社名よりも印象に残りやすいロゴ。会社の象徴ですので必ず記載しておきましょう。
<部署・課名>
部署や、課まである場合は所属している課の名称まで詳細に記載しておきましょう。
<役職名や肩書き>
役職名や肩書きがある場合は、横書きの場合は氏名の左上、縦書きの場合は氏名の右上に記載します。
<住所>
郵便番号・都道府県名から住所を記載します。
<電話番号・FAX番号>
電話番号を市外局番から、FAX番号がある場合はFAX番号も記載します。
基本的には会社の代表番号を記載したら良いですが、内線がある場合は内線番号も記載すると受け取った側に親切かもしれません。
そして、最近では携帯番号を併記することが多いです。
<メールアドレス>
個人のメールアドレスを記載します。現代では最も多用される名刺の情報かもしれません。
<HPのURL>
HPのURLを記載します。HPはないがFacebookの企業ページがあるという場合は、そのページのURLでも良いでしょう。
<営業時間や定休日>
店舗の名刺の場合は、定休日や営業時間も記載しておきましょう。店舗以外でも、土日以外が休日の場合や、一般的な営業時間と異なると思われる場合は記載しておくと親切です。
<名刺の裏面>
裏面には、英語表記をしたり、業務内容を記載したりします。
【変わった名刺の形とサイズ】
ちょっとした工夫を加えたものから、びっくりするようなものまで、幅広くご紹介していきます。
<角丸加工>
丸型加工とは、名刺の角を丸くカットしたものです。角丸2㎜、3㎜、5㎜といったように、カーブの角度を選択することも可能です。角が取れることで柔らかい雰囲気になるので、女性が使用することが多いようです。
<正方形(ミニ名刺)>
55㎜×55㎜の正方形の名刺です。従来の55㎜×91㎜よりもかなり小さいサイズのため、ミニ名刺とも呼ばれます。同じ正方形でも、もう一回り大きいものもあります。
可愛らしくコンパクトでありながらインパクトのある名刺で、こちらも特に女性に人気があります。企業やショップだけでなく、ママ名刺としてもよく使用されるようです。
正方形という形を生かし、裏側にQRコードを大きく記載したり、写真をインスタグラムのように全面印刷をしたりといった使い方もできます。
<円形>
まん丸なコースターのような形をした名刺です。こちらもインパクト大です。飲食関連業の名刺として作成するのであれば、名刺兼コースターとすることもできますね。
<その他いろいろな形>
・楕円形
・ハート、スペード、ダイヤなどの形
・動物やティーカップ、人、鉛筆、ワイングラスなど様々な型抜き
・ギザギザ、なみなみなどの周囲加工
面白いものではパズルのピース型、なんてものもあります。同じ会社の人の名刺が何枚かあれば、ピースをつなぐことができるという仕掛けをつけることもできるようです。
<変わったデザイン>
長方形に近い形でも面白いデザインのものが多々あります。例えばカセットテープ風のものや、免許証風、荷物タグ風などです。
変わった名刺の素材といっても、紙以外なんてあるのか?と思った方もいるかもしれません。実は、驚くほどたくさんの素材があるのです。
<プラスチック素材>
言われてみれば見たことがある、受け取ったことがある、という方もいるでしょう。プラスチックには完全に透明なクリアなものから、半透明でツヤのあるもの、曇りガラスのようなマット加工のもの、そのほか様々なカラーのものがあります。
プラスチック素材は紙と違い、水濡れに強く破れたりしわになったりすることもありません。高級感やインパクトを与えることができます。
最近では、エグゼクティブ層が持つ名刺の1つとして定番化しつつあります。
<木製>
木という素材自体はとても身近なものですが、木の名刺となると珍しいですよね。温かな印象やソフトな印象を与えることができ、木の自然な香りも楽しむことができます。
ヒノキ、スギ、桐、メープル、タモなど様々な木の種類を選べる名刺作成会社もあります。木の素材によって木目の印象も、色も、香りも異なってきます。値段も異なりますが、お気に入りのものを見つけることができるでしょう。
<メタリック素材>
ステンレスなどのメタリック素材でできた名刺もあります。その存在感と強度は他とは一線を画すかもしれません。
<食べ物>
通常持ち歩く名刺としてはもちろん使えませんが、変わり種として食べ物の名刺というものがあります。洋菓子ではクッキーに、和菓子ではおせんべいに氏名や会社情報を記載して名刺として販売している会社があります。
<紙は紙でも一風変わった紙>
紙は紙でも、ちょっと変わった紙を使用するという方法もあります。例えば日本的な印象を与えたい場合は和紙。自然やエコロジーに関する企業であれば再生紙なども良いでしょう。
<2>h変わった名刺の加工
名刺への工夫は形や素材だけではありません。様々な加工を施すことで、他との差別化や会社にあった印象を与えることができます。
<エンボス(浮き出し)加工>
紙に圧力を加えて名刺を部分的に浮き出す加工方法です。ロゴやイラストなどの部分を浮き出させる以外に、社名や氏名部分にこの加工を使われる方もいます。浮き出し部分には基本的にカラー加工はしないので、シンプルながらも高級感を演出できます。(カラーエンボス加工もあります。)
浮き出し部分を強くすると、まるで彫刻のようなインパクトを与えることもできます。
<空押し加工(デボス加工)>
エンボス加工とは逆に、表面を凹ませる加工です。控えめですが、上品な印象を与えることができます。
<箔押し加工>
金箔、銀箔などのメタリックの輝きを持つ箔を、熱と圧力で紙に転写する特殊加工です。
金箔や銀箔だけではなく、つや消しタイプの金箔銀箔、赤青黄色ピンクなど様々なカラーの箔、ホログラム箔などがあります。
こちらもシンプルな高級感を演出できるでしょう。
<穴あき加工>
名刺そのものの型抜きではなく、文字やイラスト、ロゴ、デザインなどを穴あきで加工する方法です。氏名や会社部分を穴あき加工にしたり、真ん中に大きな形やロゴマークで穴あき加工にしたり、大胆なデザインも可能です。会社にあった印象を演出することもできるでしょう。
レーザーカット加工を用いれば、微細なデザインも可能です。
<夜光塗料>
夜光塗料を使った名刺もあります。暗いところで見ると蛍光色に光るもので、子供の頃に夢中になった人もいるのではないでしょうか。
暗めの照明がメインの店舗を持つ店舗経営者の方などにも良いかもしれません。
<スジ入り加工(折り加工)>
スジを入れて、折りたたむことができるような加工です。2つ折りだけでなく3つ折なども可能です。
情報をたくさん乗せることができるので、ミニパンフレットやミニ会社案内のような役割にもなりそうです。
スジを入れて封筒のように開く部分を作り、開いた内側部分に情報を記載するなんてことも可能です。
<ミシン目加工>
ミシン目加工は、手でちぎれるようなチケットなどについている加工です。名刺をちぎる?と思うかもしれませんが、真ん中でちぎって情報を2つに分けたり、ミシン目部分をちぎることで違う形になったり、面白い印象を与えることも可能です。
またちぎらなくても、チケット風という面白みを演出することもできるでしょう。
<ポップアップ加工>
切り込み線と谷折り線が入っており、ポップアップする名刺です。
第一印象で、他にはないインパクトを与えることができます。
開いてポップアップするものと、そのままの状態で切り込みと谷折りを立ち上げることでポップアップさせるものがあります。
<挟める切り込み加工>
一部のデザインに切り込みを入れることで、パンフレットやチラシなどに挟める加工です。営業などで、担当者ご不在時に資料と名刺をお預けすることがありますよね。そんな時にこの折り込み加工があればちょっとしたインパクトや話題になるかもしれません。
<香りの加工>
目には見えませんが、嗅覚に訴える香りの加工もあります。単純に良い香りがするということでもいいですし、食品を取り扱う企業であれば、その香りをつけるという方法もあります。カレーの匂いのする名刺なんてものも存在するようですが、万人受けするような香りかどうか、は一つ判断の基準になるでしょう。
<封筒型>
加工とは少し違いますが、一見普通の名刺に見えていて実は封筒になっており、表と裏の間にメッセージや情報が入っている仕掛けがある名刺があります。
その人のためのメッセージを入れておいても良いですし、一般的な挨拶文を入れておいても良いでしょう。
その場では気がつかず、戻って名刺整理をしている時に気がつき、強い印象を残すことができる、なんてこともあるかもしれません。
先にご紹介した内容以外に、必要に応じて名刺に記載したい内容をご紹介します。
<SNSアカウント>
最近多いのがこのSNSアカウント。会社URLのそばに、Facebook、ツイッター、Instagramなどの、アカウントを持っているSNSのロゴを記載することも多いです。
<QRコード>
スマートフォンが普及しているこの時代。URLだけでなくQRコードを記載しておくとHPに気軽にアクセスしてもらえます。iPhoneであればQRコードの読み取りアプリがなくても、カメラで読み込むだけでサイトへ飛ぶことが可能です。
<業務内容・サービスの紹介>
こちらは必須項目とも言えるかもしれません。大手企業でない限り、社名だけでは何をやっているのかは伝わりません。できるだけわかりやすく、端的に業務内容を記載しましょう。最近は、特に業務内容が多岐にわたっている企業も多いです。何をやっているのかを伝えなければ、次の仕事にも繋がらないでしょう。
<経歴・資格・実績>
自分の経歴や資格、実績、経営者であれば起業した理由や目的、商品・サービスを売っている理由や目的などを記載するのも良いでしょう。
<会社のキャッチフレーズ>
キャッチフレーズは、短い文章で会社の言いたいこと、会社の特徴を表してくれています。スペースの限られた名刺の中でも、重要な役割を果たしてくれるでしょう。
<企業理念・経営理念>
キャッチフレーズと同様に、どのような会社なのかを伝えるために有効です。
<顔写真や似顔絵>
名刺だけでは名前と顔を一致させることが難しいです。そこで有効なのが顔写真や似顔絵の記載です。写真が一番わかりやすいですが、特徴を捉えた似顔絵であれば、意外なインパクトを与えつつ、覚えてもらうこともできます。
<商品の写真>
自身の顔だけではなく商品の写真を載せておくことで、一目で何を売っている人なのかがわかります。
<会社や店舗の地図>
お客様によく訪問してもらう機会がある場合は、地図を載せておくのもいいですね。
<生い立ち>
名刺の裏側に、生い立ちから経歴までを書いている方もいます。その人が理解できるとともに、話した内容とリンクさせて覚えてもらいやすいです。
<趣味・特技>
仕事に関係ないのでは?と思うかもしれませんが、趣味や特技がきっかけで意気投合したり、仕事に繋がったりすることも多々あります。その人の人となりを表す意味でも、記載すると面白いかもしれません。
<スナップショット写真>
顔写真ではなく、仕事の様子やプライベートの様子を収めた写真を載せることで、文字では伝え切らない印象や人となりを伝えることも可能です。写真によっては、たった一枚で何百文字分もの情報を伝えることができるのです。
<メッセージ欄>
直筆のメッセージを残すための欄を作っておきます。名刺を渡す相手がわかっているときは、事前に手書きでメッセージを添えておくと相手に印象付けられるでしょう。
ただし、メッセージ欄が空の状態で渡すのは良くないので、メッセージ欄のないバージョンの名刺も作っておいた方が良いですね。
<複数の名刺を使い分ける>
知らせたい情報が相手によって異なる場合もありますよね。例えば、携帯番号がプライベートの番号と同じ場合、自宅を事務所にしている場合などが考えられます。そんな時は、複数枚の名刺を作成し、使い分けるのも手です。全員に教えられる情報をベースに作って、必要に応じで書き込むよりもよっぽどスマートですよ。
<フォントの工夫>
フォントによって与える印象は大きく異なります。
一般的には明朝系やゴシック系の文字が多いですが、印象の異なる実に様々なフォントが存在しています。
例えば、かわらしい印象のPOP体やまるもじ、レトロな印象もある金文体や爽流体、温かい印象の手書き体などがあります。
和文書体だけでなく、欧文書体にも様々なフォントがありますので、自社のイメージにあったものを選びましょう。
名刺は、初めてお会いした人に渡すもの。直接会ったときのあなたの印象とともに、その後に続くあなたの印象を決める大事なものです。そして、一度渡した名刺は、長く相手の手元に残る可能性があります。納得がいくまでしっかり考え、自分にあった名刺を作成してくださいね。
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